日本に出回っているオマール海老の大半はカナダ産だそうですが、やはり最高級品は「オマール・ブルー」などと呼ばれるフランス・ブルターニュ産やノルマンディー産のものでしょう。

ある日、ワイン好きのオジサマから「オマール・ブルーを食べに行かない?」という、アドレナリンが大放出するようなメールをいただき、張り切って向かったのがこちら、日本橋のオフィス街の半地下にひっそり隠れる「ラ・カルト・セジュール」です。

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HPに書いてある「昔ながらの一本筋の通った骨太フレンチを 12席のお客さまのために」というコンセプト通り、余計な装飾などない、とても静かで落ち着ける店内に足を踏み入れ、グッと期待も高まりました。

この日は3人でワイン3本。オジサマが持ち込んでくださったワイン。

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私たち3人は変態趣味なので、ワインについてはサラッと触れるだけにしますが、この日特に良かったのは、シェリー香がガンガン出ていながら、色調も味わいもクリーンで摩訶不思議な熟成を遂げた70年代シャンパン。油分、旨味の強い中華が、甘・酸・色のあるシェリーとよく合うように、この日の旨味濃厚な海老料理と素晴らしい相性を見せました。やはり昔のシャンパンは底力が違う、後半はぐんぐんコクが増し、シェリー香を押しのけましたから。そして、シャンパンとシェリーはつくづくよく似た飲み物だと思う(変態的見解)。

さて、今月いっぱい食べられるブルターニュ産オマール海老のコースは下記のとおり。

●アミューズ
オマール海老のミソを使った焼き立て一口パイ
シェリー香を嗅ぎ、アミューズにパイ生地が出てきたら最高なのになぁと思ったら、本当に出てきて超嬉しい。活オマールだからこそ出来るコライユ(ミソ)と卵を使った小さな旨味爆弾。

●季節の一品
メロンの白ポート・ワイン漬け パンチェッタのチップス添え
カリカリパンチェッタの香ばしい塩気とメロンのジューシーな甘味を、夏バテの身体がウホウホ悦び受け入れる。

●前菜
オマール海老の爪 モン・サン・ミッシェルAOCムール貝 初夏の天然ジロール茸
サフラン風味のフリカッセ ムックラード・ソース ラクレット入りサフランライス添え

海老、トマト、香味野菜の出汁、サフラン、茸、チーズとくれば、合うワインなど到底思いつかない。やっぱシェリーかシェリー味のシャンパンでしょ(笑)

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●メイン
オマール海老の身のロースト フレッシュトマトとハーブのヴェルジュソース 自家製ヌイユ(たまご麺)添え
ミディアム・レアにローストしたぷりぷり海老の甘味を、トマトとパクチーの小気味良いソースが引き立てる、これぞ究極の夏フレンチ。

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●デザート
桃のコンポート シャンパングラニテ添え 
変態3人とも同じデザートを注文。

一本気のある、洗練された王道フレンチに感激するとともに、苦み走った若山シェフの風貌に「うわシッブ~、ちょっと素敵かも」と思ったのも束の間。お話してみるとイメージがらがら~、関西人もビックリのはっちゃけた江戸っ子のオジサンでした。私のハートをとっとと返してください。

というわけでオマール・ブルーのコースは7月31までです。また行きたいな。


TEL 03-3243-6677
東京都中央区日本橋本石町3-2-5 マレ本石ビル



 








 
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