中華も忘れてませんからね(笑)

ある料理人さんに教えてもらって、ずーっと気になってた店をご紹介。

JR元町駅から徒歩すぐ、分かりにくい場所にひっそり隠れている薪焼きレストラン「bb9 (ベベック)」です。
※前店「NUDA」がリニューアル

スペイン・バスク地方には古くから男性限定の美食クラブがあるそうですが、まるでそこに迷い混んでしまったのかと思いました。

無垢のテーブルを配し、一切の無駄を取っ払ったシンプル過ぎるほどの店内。テーブル12席のうち、私達二人を除いてすべて男性客。

隣のテーブルのお客は料理人でしょうか。スポーティーで垢抜けたその四人組は「旨い!」を連発しながら料理の話題で盛り上がってます。思わずテーブルをくっつけたくなりました。

バスク地方の薪焼き料理で有名な「エチェバリ」他、各地で修行した坂井剛シェフと、「アラン・シャぺル」出身の西川正一ソムリエの世界に、それでは行ってきます。



コースは一種類のみ。この前にバルでちょっと引っかけてきたのでグラス4種のワインペアリングをお願いしたところ、いきなりきましたよ、チャコリ2種の比較。頭の高さから泡立てて注ぎ入れるバスクの地酒。

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夏のBBQでガブ飲みするのに持ってこいなチャコリ。トリュフたっぷりの自家製バターが出され、チャコリの底抜けなフレッシュ感を恨めしく思いましたが、二皿目以降の薪焼き料理に思わぬ活躍をしてくれました。

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ひそかにカメラが変わってコンデジ「G7X」、初Canonです。

「淡路の天然ひらまさ 薪焼き」
これ以上でもこれ以下でもないベストな熟成感。魚は状態によって3日から一週間寝かせるそう。塩もいい。この脂のノリには、先の写真左、白い花を思わせるふっくらとしたチャコリと。

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「モンサンミシェルのムール貝 薪焼き」
次第にツボにハマッていく自分がいます。塩は加えず、貝の塩分だけでいただくのですが、素朴で滋味にあふれ、ぷるんっと柔らかな食感はモンサンミシェル産ならでは。下にしのばせた茄子のピューレが予期せぬ香ばしさをプラスしてくれます。先の写真右、柑橘の苦味のある青々しいチャコリと。

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「季節野菜」
上には生野菜、下には焼いた根菜を。野菜自体が美味い上、一つ一つの持ち味を生かす絶妙な歯応えに仕上げています。女性の扱いも上手いんだろうな、と変な妄想掻き立てられたりして。

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「自家製 河内鴨のチストーラ 薪焼き」
表面だけ焼いた生のチョリソー。パプリカの香ばしい風味が広がりビールがほしくなる。とはいえ、こんな料理でもあくまで繊細。コーンミールを煮たポレンタの上には焼きトウモロコシ。

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埃や枯葉が香る古き良きスペインワイン。温かい魚料理には熟成した赤。魚まで持つかな。

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「フレッシュポルチーニ茸 薪焼き」
茸の香り付けした卵黄のソースをまとい、もう反則の旨さ。茸のグアニル酸に引っ張られ、枯れたワインがギュイーンと甘くなる。

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「淡路 天然ひらめ 薪焼き」
皮の焦げ目を喜ぶのは日本人ならではでしょうね。バスク名物ピルピルのソースですが、どこか和の雰囲気が漂います。背から腹にかけて食べ進めることが大事。

しかし旨いな、どうなってんの、この平目。東京なら鮨ネタ級。関西に来て良かったと思う瞬間。

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「ドライエージング 熟成肉 薪焼き」
40日熟成のLボーンですが、熟成の旨味はあまり感じません。肉の個性より、薪焼きの醍醐味が味わえるといいましょうか。炭焼きよりやっぱ香ばしいんですよ。マリーゴールドの香りをアクセントに、ギガルのジゴンダス2010と。

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「宮崎 完熟マンゴーと自家製アイスクリーム」
ルックスはマンゴーアイスですが、口どけよく潰して成型した完熟マンゴーそのまんま(砂糖不使用)。薫製の香り付けした甘辛いアイスクリームといい、デザートまで男らしい。

2015-10-305


2年乾燥させたナラ材で熾き火(おきび)をおこし、食材によって近づけたり遠ざけたりして、火加減を調整するそう。

「焼く」という調理法だけで、ここまで巧みに表現できることに終始驚き、素材へのリスペクトを一貫して強く感じました。

ソムリエさんの知識や所作にも、ただならぬ凄みを感じましたが、できたらもう少し良いワイン飲ませてください。

HPの動画を見たら絶対食べに行きたくなりますよ。


bb9
兵庫県神戸市中央区元町通3-14-5
Tel:078-331-6780


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