こんな竜宮城のようなワイン会には、必ず何かがあるものですが、ほらやっぱりね。大嫌いなブラインドテイスティングが用意されていました。


デキャンタしたワインを持って、ニヤニヤとグラスに注いで回るIさん。ワインショップ経営のNさんと私を陥れるためとしか思えない。

図々しく当てに行こうとするからでしょうか、毎回この瞬間、口から心臓が出そうになるのですが皆さんもそうですか?



さてさて、そんなわけで早速グラスを嗅いでみました。第一印象は、メドックのカベルネ主体だろうと思いました。飲んでみて直感でサンテステフとポイヤック以外だろうと。味わいは穏やかで、恐らく20年前後の熟成。こなれてきてはいるが、若い頃は強かったであろうタンニン、杉や燻香、青さ、ほどよい肉付きといい、クラシックなボルドーの手本のようなワイン。

いや待てよ。これは引っ掛けで、もしかしたらカリフォルニアで凄いのを調達してきたのかもしれない。落ち着け。

とそこへ、「サンジュリアン!」と手をあげた勇気ある特攻隊が一人。

「いくらなんでも、そのまんま過ぎません?」と横やりを入れながらIさんの顔色を盗み見る、姑息な私。

ただ一つだけどうも引っ掛かる。味わいは穏やかでも、色調が妙に若々しいのです。骨格に対して肉付きがややアンバランスで、二級クラスを出してくるとしたら90年代後半~00年代前半の平均的な年だろうと。




ところが、答えを聞いてドッヒャーッ!!!

パーカーポイント100点「シャトー・マルゴー1990」だったのです。色が若い訳だわ。

平均的な年だと思ったのは、まだ熟成途中にありバランスを欠いていたからだと、自分なりに結論づけました。そうじゃなきゃ凹んで寝れない。

それにしてもブラインドでマルゴー90出します普通!?

ちなみに私にだって勲章はあります。過去に、オーブリオン2002とドンペリ1985のヴィンテージを当てたことあるもんねー(自慢)。トータルで2勝13敗ぐらいですが。

2015-11-243


その後、ボトムネックから3センチぐらい液面の下がったペトリュス53を、ダメもとで開けてくださいました。初めはギリギリ生きてる、程度だったのが、スベスベの質感が現れ、偉大なメルローの煌めきが暗闇にそっと現れ消えていきました。黒毛和牛トモサンカクのローストビーフと。

2015-11-242


今回、プロの皆さんの技の応酬に驚きっぱなしでしたが、個人的に考えを新たにしたのは、本場関西における和牛のレベルの高さ。

大の肉好きであり、本格的に料理の勉強を始められたIさんが、プロのアドバイスのもと、神戸牛のランプ (マルゴーの画像右側) を焼いてくれたのですが、あまりの旨さに悲鳴をあげそうになりました。

通常、タタキやローストビーフに適した部位ですが、こちらの方が断然、柔らかな肉質と旨味が楽しめます。やっぱり赤身肉は最高。Iさんがハマるのも理解できました。


料理人に挑む勇気はなく、おとなしく私は熟成チーズ3種を持参(タレッジョ、バングル、コンテ)。リューセック1990はもう完璧、この日一番の感動をくれました。

2015-11-245


ショップ経営Nさんからはアヴィニョネージの「オッキオ・ディ・ぺルニーチェ」と呼ばれる高級ヴィンサントの1997年の差し入れ。黒蜜のようにトロリとした味わいはとにかく強烈で、ペドロヒメネスの甘口シェリーといつか比べてみたくなりました。

2015-11-247


どなたかが焼いてきてくれたレモンピールのシフォンケーキに出してくれたのが、14代柿右衛門カップの紅茶。どうなってんの、このお宅!

2015-11-246









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