先週末、河原町今出川にある「はやし」に伺いました。私があえて説明するまでもない正統派京料理の名店。

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以前は14席ほどあったそうですが、現在はカウンター7席と個室。写真撮影出来ませんが、カウンター席をお願いしました。

沢山のお弟子さんが動き回る活気ある調理場、それに厳しい目を光らせながら粋な会話でもてなす恰幅のいいご主人、真剣に対峙する客たち。この感じ、なんだか鮨屋のよう。


思わず顔が綻んでしまう、みずみずしい柚子の食前酒から料理は始まります。

料理の説明は一切なし。記憶をたどると献立は以下のような感じ。

白和え(豆麩、ずいき、柿)肉厚椎茸の佃煮添え
八寸(鯛の錦糸巻き、子持ち鮎の甘露煮、べっ甲生姜、栗渋皮煮)
お椀(鱚、松茸)
お造り(烏賊、鯛、鮪、湯葉、酢取り防風)
海老芋のお椀 白味噌仕立て 辛子
お凌ぎ(鯖寿司、葉付き大根 もろみ味噌)
揚げ物(ぼらの白子の真薯)
鯛のちり蒸し ぽん酢 味噌ゆべし添え
酢みそ和え(さより、海老、分葱)
庭の葡萄のシャーベット
鯛の出汁の雑炊
芋羊羹とお薄

食材に派手さはないけれど、ひとつひとつの目利きと細かな仕事に妥協がなく、安心して身を委ねることが出来ました。

お椀の吸い地は出汁控えめですが、食べ進めていくうちに具の旨味と合わさり、驚くほどピタリと良い塩梅に。佃煮、もろみ味噌、味噌ゆべしにいたるまで素晴らしく、お酒も嬉しいことに伏見で一番好きな招徳ではないですか。「林泉」という店オリジナル。

この時季、食材にこだわる店なら、海老芋は私の出身地・大阪富田林市で採れたものを必ずと言っていいほど使っています。ここも例外ではなく、これを会話の糸口に、ご主人と沢山お話できました。忘れられないうちにすぐまた再訪しようと思います。ご馳走さまでした。




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