「白蓮華のように最も勝れた正しい教え」を意味する法華経。

成立したのは紀元1世紀末~3世紀初めと推定されています。

飛鳥時代の仏教伝来当初から日本にもたらされ、広く民衆に受け入れられた経典です。

当時のインドでは出家者中心の小乗仏教が盛んで、庶民には縁遠いものでした。

そこで、広く民衆を救済しようと大乗仏教が生まれますが、両者は対立。

けれど原始仏典「スッタニパータ」で釈尊(お釈迦様)は、

「在家でも女でも、即時に、我が身を離れることなく悟ることができる」と言いました。

小乗と大乗の対立を止揚し、原点に帰ろうとしたのが「法華経」なのです。

大乗非仏説

ところが江戸時代に富永仲基が、

「大乗仏教は釈尊が説いた教えではない」と指摘(法華経もその一つ)。

それに対し編纂者たちは言いました。

「人間を根本にすえ、一切衆生の成仏を説く。思想的には仏説である」と。

私もこの「大乗非仏説」については随分調べました。

本来、釈尊が説き示してくれた教えに従い解脱を目指すべきところを、

法華経は、衆生を救済する自利利他を目標としていますので。


けれど、そもそも仏教自体、釈尊一人が作り上げたものではなく、

修行者たちが釈尊に思いを寄せ、真理を探しながら語り伝えてきたもの。

今なお、法華経が広く信仰されている事実こそ重要ではないかと思いました。

日本文化に深く浸透

法華経は、最澄、日蓮、道元‥が重視していた経典で、

日本の教育では一切触れていませんが「源氏物語」や「更級日記」などにも出てくるし、

「義経記」には牛若丸と弁慶が法華経を読誦するシーンもあるそう。

芸能分野でも長谷川等伯、狩野永徳、尾形光琳、俵屋宗達‥‥が信者で、

宮沢賢治が傾倒していたのも有名です。

まるでSF小説

法華経はとにかく舞台設定のスケールがデカい。

壮大で華やかで神秘的な世界感は、かなりの想像力と読解力を要します。

登場するいくつかの例え話からは、根気強く理解させようとする意図が読み取れ、

仏教は人間主義であることを深く実感できる経典なのです。

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